【脱腸の基礎知識】症状が悪化する前に外科医の診察を受けてください!

脱腸=鼠径(そけい)ヘルニア

【脱腸の基礎知識】症状が悪化する前に外科医の診察を受けてください!


ある日、いつもように鏡を見ていたら、「下腹部のあたりにピンポン玉くらいの大きさのふくらみが出ていてビックリした」というような経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そのふくらみは触ってみると少し柔らかく、手で押したり、横になったりすると元のように引っ込み、立ち上がった時や下腹部に力を入れたときにまたふくらみが出てくるといったような症状がみられます。
このような症状が起こったときに疑われる病気、それが「脱腸(だっちょう)」です。

手で押さえると引っ込むような段階のときは、あまり痛みなども感じないことが多いことから軽視されがちですが、徐々に痛みが強くなってくると生活に支障がでるだけでなく緊急手術が必要になる状態まで悪化している場合があります。 今回は、おとなや子ども、男性、女性に関係なく発症する恐れがある「脱腸」の「基礎的な知識」を色々と紹介させていただきます。



 

 脱腸ってどんな病気?


脱腸という言葉を聞いたことはあっても、何となくイメージできる程度で上手く説明できない方が多いかと思います。そこでまずは、脱腸とはそもそもどのような病気なのか?ということを解説します。
 
・脱腸=鼠径(そけい)ヘルニア

一般的に「脱腸(だっちょう)」と呼ばれることが多いですが、正式には「鼠径(そけい)ヘルニア」と言います。 鼠径(そけい)とは、足の付け根の部分のことを言います。ヘルニアとは、体の一部組織が正しい位置からはみ出している状態のことを指します。 鼠径ヘルニア、いわゆる脱腸は、鼠径部分や足の付け根あたりに体の組織が正常な位置から飛び出してふくらんでしまうヘルニアの一種です。
 
・脱腸は外科手術で最も多い病気?

おとなや子どもに関係なく、だれでも発症する可能性がある脱腸(鼠径ヘルニア)は、子どもが発症しやすい先天性の脱腸と、成人が発症する後天性の脱腸があります。
先天性の場合、子どもの成長に伴い、自然とふくらみが目立たなくなることがありますが、後天性の場合は自然に治ることはありません。おとなが脱腸を発症した場合、運動療法や薬物療法で改善が見込めないため、治療には「手術」が必要になるのが基本です。実際、外科手術の中で最も多い病気と言われているのが脱腸です。
ですから、「もしかして脱腸かも?」「足の付け根あたりがいつもより腫れている感じがする」と気になったときは、痛みがなくても、本当に脱腸かどうかを診てもらうために消化器を扱う医師がいる外科を早めに受診されることをおすすめします。

 
・脱腸の種類は外・内・大腿

脱腸(鼠径ヘルニア)の基礎知識として押さえておきたいのが、「外鼠径(そけい)ヘルニア」「内鼠径(そけい)ヘルニア」「大腿ヘルニア」です。脱腸と一括りにされることが多いのですが、実際は脱腸の種類は大きく3つに分けられています。
脱腸を診察、治療する医療機関では、医師がそのふくらみが本当に脱腸であるかどうかを視診や触診、問診から診断します。医師にとって脱腸かどうかを診断することはそれほど難しいことではありませんが、患部を表面から視診しただけでは脱腸の種類を断定することはできません。
そこで医師は、触診や問診により何がどこから、どのくらい出ているのかを判断することで脱腸の種類をさらに正確に判断しています。患者さんによっては診察時にちょうど出っ張りが引っ込んでいる状態で、診断が困難な場合があります。そういった時は、問診で出っ張りを確認したときの状況を伺い、必要に応じてCT検査を行って画像から脱腸の種類を診断することもあります。
  •  外鼠径(そけい)ヘルニア:

全体的に最も多い脱腸(鼠径ヘルニア)です。腹壁の外側、鼠径靱帯の上のあたりに出てきます。
 
  •  内鼠径(そけい)ヘルニア:

中高年男性に多く見られる脱腸(鼠径ヘルニア)です。鼠径部後方の鼠径靭帯の上で、腸が腹壁からはみ出ることで起こります。
 
  •  大腿ヘルニア:

女性に多い脱腸(鼠径ヘルニア)です。鼠径部の下あたり、鼠径靭帯の下から出てきます。出産を経験した女性や過去に多産を経験している高齢の女性に多く見られ、脱腸の中で最も「嵌頓(かんとん)」を起こしやすいとされているため、注意が必要です。
 
・痛みがある時は要注意!

脱腸は脚の付け根の部分に腸が飛び出すことでふくらみやしこり、こぶが突起してしまう病気です。患部を手で押すと引っ込み、初期症状では痛みはありません。ただし、ふくらみの部分に触れて、「痛みが生じた場合は要注意」です。
痛みが伴う場合は、嵌頓(かんとん)と言って飛び出た腸が手で押しても戻らない状態まで症状が悪化していることが考えられます。嵌頓(かんとん)になった場合、このまま放置してしまうと腸閉塞のほか、徐々に腫れが大きくなり腸が血行障害を起こして壊死し、重篤な状態に陥ることがあります。
脱腸は外鼠径(そけい)ヘルニアと内鼠径(そけい)ヘルニア、大腿ヘルニアという3つの種類に分けられますが、中でも女性の患者さんに多い大腿ヘルニアは嵌頓(かんとん)になりやすいため注意が必要です。
 
・脱腸は「日帰り手術」による治療が可能!

成人の方が脱腸を発症した場合、手術以外には治療法はありません。手術と言われると不安になられる方が多いかと思いますが、最近は手術後の回復が早く、短期間で治療を受けられる「脱腸の日帰り手術」という治療法が考案されています。 日帰り手術は、文字通り手術を受けた日に帰宅できるといった治療法です。日帰り手術に最適な麻酔薬や、手術によるキズが小さくて済む腹腔鏡を組み合わせた手術法で、従来の手術法に比べて手術による身体的な負担や精神的な負担が軽減されるといった特徴があります。

初期の脱腸の場合、ふくらみは自覚できても痛みがないことから手術を受けずに放置されてしまうケースが多々ありました。1週間以上休みがとれない方にとって、従来の手術法では社会復帰までに時間がかかってしまうことが大きな問題となっていたのです。
脱腸は初期の段階であれば、それほど緊急性はありませんが、嵌頓(かんとん)の状態になることだけは避けなければいけません。現状、嵌頓(かんとん)を予期することはできません。そのため、嵌頓(かんとん)になる前に早めに診察を受けて、治療を受けることが必要不可欠というわけです。

脱腸の日帰り手術は、「治療は受けたいけど入院はしたくない」、「忙しく休みがとれない」といった患者さんにこそ勧められている治療法であり、手術当日に来院して手術を受け、手術が終わったあとは数時間ほどで麻酔も切れて自分の足で歩いて帰宅できるようになります。

「脱腸(鼠径ヘルニア)」は子どもの病気と思われがちですが、実際は成人の方に多くみられる病気です。脱腸を発症した場合、運動療法や薬物療法では効果がなく、治療方法は手術を受けるしか他ありません。最近は、診察や術前検査を受けるための日と手術を受ける日の計2日間のみで脱腸を治療できる「日帰り手術」という治療法を受けられるようになっています。
社会復帰が早いので、忙しくて休みがとれない方の精神的な負担が軽減されますし、キズが小さく痛みの少ない腹腔鏡手術で身体的な負担や不安を大きく解消することができます。症状を放置して脱腸を悪化させないためにも、脱腸の日帰り手術を利用して早めに診察や治療を受けられることをおすすめします。



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